出羽三山で山伏の修行を体験してきた。
羽黒山が現在、 月山が過去、 湯殿山が未来 をあらわし、 「生まれかわり」の旅である。 2025年9月某日、出発。
**
参加手続きを済ませ、 スマホ 時計 財布 は預ける。 時間に縛られず、 情報を断つ。 そして、白装束に着替える。 白装束はあの世への旅装束。
白装束の中には、 登山用のサポートタイツと白Tシャツ。
** いざ、羽黒山トソウ行へ。 先達の法螺貝を合図に、 無言で歩く。 随神門を通り、 祓川を渡り、 国宝五重塔。 何度か小休止しながら、 2446段の石段を登る。 山駆けである。
**
出羽三山神社 三神合祭殿(重要文化財)で ご祈祷。 羽黒山を開いた 蜂子皇子の神社に参拝。 鏡池の歴史に思いを馳せる。
**
一度、拠点に戻り「壇張り(だんばり)」。
壇張りとは、食事のこと。 畳に正座し、 板を台に、 飯と味噌汁と漬物2切を食す。 味噌汁を「赤だら」。 食器をすすぐ湯を「白だら」と言う。 汁椀と菜皿(?)と箸は、
食事終わりに 漬物一枚と少しの白だらですすぎ、 ダンキンで包み、繰り返し使用する。 食事も修行。 味わうことなく、飲み込む。
**
続いて、夜間トソウ行。 再度、羽黒山へ。
今回は五重塔周辺で 灯りを消し、 今を感じながら時を過ごす。 暗闇で、あれこれ思い浮かんでは 移ろい、消えてゆく。 私は、「今」に「自分」に 焦点が合ってくる気がした。 それから、 自分の外へ意識が広がってゆく。 何物にも変えがたい貴重な体験。
**
五重塔から 灯りをつけずに夜道を歩き、 拠点へ帰る。 前を歩く人の白装束が頼り。 杖があるのが心強い。 星、ひとつひとつの輝きが 美しく見える。
** そして、皆で 「南蛮いぶし」の行。 これについては、語るまい。
燻されたのちは、
汗臭が上書きされ、
虫除けにもなりそう。
**
その後、宿坊に宿入り。
修行中は、 風呂も歯磨きも化粧もしない。
就寝。
** 朝、法螺貝がなる。
1度目の法螺貝で起きて、 2度目の法螺貝で集合。 起きてすぐ布団をたたみ、 装束を整える。 袴なので、女性はトイレが難しい。
** 朝の修行は 床固めの座禅から。 壇張りを済ませ、 いざ月山へ。
羽黒山が現在、 月山が過去、 湯殿山が未来 をあらわし、 「生まれかわり」の旅である。 2025年9月某日、出発。
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参加手続きを済ませ、 スマホ 時計 財布 は預ける。 時間に縛られず、 情報を断つ。 そして、白装束に着替える。 白装束はあの世への旅装束。
白装束の中には、 登山用のサポートタイツと白Tシャツ。
** いざ、羽黒山トソウ行へ。 先達の法螺貝を合図に、 無言で歩く。 随神門を通り、 祓川を渡り、 国宝五重塔。 何度か小休止しながら、 2446段の石段を登る。 山駆けである。
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出羽三山神社 三神合祭殿(重要文化財)で ご祈祷。 羽黒山を開いた 蜂子皇子の神社に参拝。 鏡池の歴史に思いを馳せる。
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一度、拠点に戻り「壇張り(だんばり)」。
壇張りとは、食事のこと。 畳に正座し、 板を台に、 飯と味噌汁と漬物2切を食す。 味噌汁を「赤だら」。 食器をすすぐ湯を「白だら」と言う。 汁椀と菜皿(?)と箸は、
食事終わりに 漬物一枚と少しの白だらですすぎ、 ダンキンで包み、繰り返し使用する。 食事も修行。 味わうことなく、飲み込む。
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続いて、夜間トソウ行。 再度、羽黒山へ。
今回は五重塔周辺で 灯りを消し、 今を感じながら時を過ごす。 暗闇で、あれこれ思い浮かんでは 移ろい、消えてゆく。 私は、「今」に「自分」に 焦点が合ってくる気がした。 それから、 自分の外へ意識が広がってゆく。 何物にも変えがたい貴重な体験。
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五重塔から 灯りをつけずに夜道を歩き、 拠点へ帰る。 前を歩く人の白装束が頼り。 杖があるのが心強い。 星、ひとつひとつの輝きが 美しく見える。
** そして、皆で 「南蛮いぶし」の行。 これについては、語るまい。
燻されたのちは、
汗臭が上書きされ、
虫除けにもなりそう。
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その後、宿坊に宿入り。
修行中は、 風呂も歯磨きも化粧もしない。
就寝。
** 朝、法螺貝がなる。
1度目の法螺貝で起きて、 2度目の法螺貝で集合。 起きてすぐ布団をたたみ、 装束を整える。 袴なので、女性はトイレが難しい。
** 朝の修行は 床固めの座禅から。 壇張りを済ませ、 いざ月山へ。
月山八号目まではバス移動。
駐車場でトイレ(100円)を済ます。 ※トイレ用小銭の所持は可能
** 御田原神社に参拝したところで、 雨模様のため、雨具装着。 月山は標高1984m。
機能性長袖の白シャツと白Tシャツと 白装束と雨具でちょうどいい気温。 白装束の上に着る雨具は パツパツになるが、致し方ない。
袴の上から、
雨具(下)が履けてよかった。 ** 日本海側の気候の影響か、 霧でけむっていて、 視界は狭い。
白い世界は、
まるで彼岸のようでもある。 湿原の遊歩道、 笹を切り拓いた登山道、 岩場の道。 登山コースとしては バリエーション豊かな姿のお山。
**
先達の歩みに続いて、
ひたすら無言で歩く。
次の足をどこに踏み出すかしか
考えられない。 サポートタイツを装着していても、 ついていくのが精一杯。 何度かの小休止で アクエリアスと水とで 水分・糖分・塩分補給しながら登る。
**
山頂の月山神社に参拝。 (月山本宮は9/15まで、 月山頂上小屋は9/22まで) 九号目の仏生池小屋で昼食。 (9/28まで営業) 弁当に持ってきた 大きな梅干しおにぎりひとつ、 味噌を巻いた紫蘇巻き。 そして、汁物をいただく。 風と雨とで冷えた身体に 小屋と温かい汁物のありがたさ。 沁みる。
**
先達の法螺貝は、
(たぶん) 先頭と後方の連絡手段であり、 熊よけであり、 人とすれ違う合図であり。
そしておそらく、 雲間が晴れた お知らせでもあるよう。 無言で歩く中での コミュニケーション。 登りは
足元を見るのが精一杯だったけど、
下りはほんの少し、 「さっき通ったところ」と思う
かすかな余裕がある。
**
視界が広がるタイミングで、
法螺貝が鳴り響く。
白い世界がわずかに晴れて、 紅葉や下界の景色がのぞく。 全部見えているよりも、 偶然見ることができた瞬間の方が 感動は大きい気がした。 まるで修行の合間の ご褒美のよう。 スマホを持たず 写真に残せないもどかしさはあれど。 写真のために立ち止まらないことで 何かを吹っ切れた気がした。
八号目に戻り、
バスで拠点に帰着。
**
山から降りて
室内で食す 壇張りの紫蘇巻きの塩味を ありがたく思う。 そして、天狗相撲。 男女年代別。
**
急遽、参加者の自己紹介タイム。 40人(内女性13くらい)ほどの それぞれの思いを知る。 修行に興味を持つ者どうし、 似たような嗜好の人も多い。
出会う場所が違えば、
いろいろお話ししたいのだが。。。 修行中は全員白装束、 私語禁止。 ほとんど誰が誰だか 覚えられないのが実情。 服装や髪型が持つ情報量って、偉大。
** そして、二夜連続の
南蛮いぶし。
昨夜よりも、難易度があがる。
そして、まさかの、 南蛮いぶし、おかわり。 ここで 本気の山伏の底力を
思い知る!
一心不乱?
強靭な精神力?
彼らは、
感覚器官すら、鍛えぬいている。
おのれの意志だけでは
身体がついてこない、
もどかしさ。 まだまだ未熟な自分が悔しく、 進化したいと思った。
**
二日目が終わり、宿入り。
三日目も、法螺貝で起きる。 今日は滝行のため、
女性は水着に白装束。
サポートタイツも装着。 少し肌寒い。
** 朝の床固めの座禅をしてから、 湯殿山へバス移動。 各石碑に入道の挨拶をしながら、 沢沿いを滝まで登る。
御沢駆け。 ※一般立入禁止区域 袴も地下足袋も 水に浸かりながら進む。
**
先人たちの修行のあと、 自然の姿の神秘を辿りつつ、 梵字川の御滝へ。 先達の導きの元、 滝に入る準備の作法をこなす。 水着に白衣となり、 いざ滝に打たれる。 小柄な女性は流されるくらい、 水量豊富、水流強め。 不思議とオソレはない。 視力が弱いため、 眼鏡の扱いだけ少し困る。
**
滝行の後、
長い長い鉄梯子をつたい登る。
「絶対手をはなすなよ」と
声がかかる。
鉄梯子をのぼりきった先にある 小屋を借りて 濡れた水着と白衣を着替える。
** 湯殿山本宮へ。
履物をぬいで裸足になり、 お祓いをうけ、ご祈祷。 「語るなかれ」 「聞くなかれ」の参拝。
参拝した人たちだけが知る世界。
** 本宮入口脇には、御神湯がある。 足をつけて 滝行で冷えた身体を温める。 ほどよきところで、下山。
拠点へバス移動。
**
生まれかわりの旅。
最後の行は 誕生の儀式「出生式」
(火渡り)。 沢駆けで 袴・地下足袋は濡れている。 (燃えないから大丈夫) 心の準備をする間もなく 次々と産声をあげて 火を渡る。 法螺貝を合図に 二人ずつスタートして、
火を飛びこえる。
自然と拍手がおこる。 成し遂げられるための配慮を そこここに感じる。
**
今回の修行を終え、
修了式。 ひとりずつ、 先達から修了証を受け取る。 「よくがんばりました」 ひとりひとりにかける 先達の言葉がとても優しい。 修行が終わるのが さみしくすらある。
思えば、 初度のため、 段取りもわからず、 緊張しまくりだった。 修行には、 繰り返しが必要なのだろう。
多くの人がリピートする理由が
うなずける。
**
宿坊に戻り、入浴。
お湯が染みて
擦り傷に気づく。
ぬるめのお湯にも
思いやりを感じる。
** 大進坊にて精進落とし。
ご馳走である。

修験者とは、体験を修める者。
ほんの少し 山伏の世界に触れられたような気がする。

今回の修行体験に 関わってくださったすべての人に 感謝申し上げます。
**
以上、体験記、 長々とお付き合いいただき ありがとうございました。

左:Befoe
初日、出立前の集合写真から。 まだ、杖の持ち方すらおぼつかない。
右:After
修了式を終えて、
着替えの途中(脚半は外した後)。
姿はボロボロになったけれど、
心は祓い禊て清々し、である。
駐車場でトイレ(100円)を済ます。 ※トイレ用小銭の所持は可能
** 御田原神社に参拝したところで、 雨模様のため、雨具装着。 月山は標高1984m。
機能性長袖の白シャツと白Tシャツと 白装束と雨具でちょうどいい気温。 白装束の上に着る雨具は パツパツになるが、致し方ない。
袴の上から、
雨具(下)が履けてよかった。 ** 日本海側の気候の影響か、 霧でけむっていて、 視界は狭い。
白い世界は、
まるで彼岸のようでもある。 湿原の遊歩道、 笹を切り拓いた登山道、 岩場の道。 登山コースとしては バリエーション豊かな姿のお山。
**
先達の歩みに続いて、
ひたすら無言で歩く。
次の足をどこに踏み出すかしか
考えられない。 サポートタイツを装着していても、 ついていくのが精一杯。 何度かの小休止で アクエリアスと水とで 水分・糖分・塩分補給しながら登る。
**
山頂の月山神社に参拝。 (月山本宮は9/15まで、 月山頂上小屋は9/22まで) 九号目の仏生池小屋で昼食。 (9/28まで営業) 弁当に持ってきた 大きな梅干しおにぎりひとつ、 味噌を巻いた紫蘇巻き。 そして、汁物をいただく。 風と雨とで冷えた身体に 小屋と温かい汁物のありがたさ。 沁みる。
**
先達の法螺貝は、
(たぶん) 先頭と後方の連絡手段であり、 熊よけであり、 人とすれ違う合図であり。
そしておそらく、 雲間が晴れた お知らせでもあるよう。 無言で歩く中での コミュニケーション。 登りは
足元を見るのが精一杯だったけど、
下りはほんの少し、 「さっき通ったところ」と思う
かすかな余裕がある。
**
視界が広がるタイミングで、
法螺貝が鳴り響く。
白い世界がわずかに晴れて、 紅葉や下界の景色がのぞく。 全部見えているよりも、 偶然見ることができた瞬間の方が 感動は大きい気がした。 まるで修行の合間の ご褒美のよう。 スマホを持たず 写真に残せないもどかしさはあれど。 写真のために立ち止まらないことで 何かを吹っ切れた気がした。
八号目に戻り、
バスで拠点に帰着。
**
山から降りて
室内で食す 壇張りの紫蘇巻きの塩味を ありがたく思う。 そして、天狗相撲。 男女年代別。
**
急遽、参加者の自己紹介タイム。 40人(内女性13くらい)ほどの それぞれの思いを知る。 修行に興味を持つ者どうし、 似たような嗜好の人も多い。
出会う場所が違えば、
いろいろお話ししたいのだが。。。 修行中は全員白装束、 私語禁止。 ほとんど誰が誰だか 覚えられないのが実情。 服装や髪型が持つ情報量って、偉大。
** そして、二夜連続の
南蛮いぶし。
昨夜よりも、難易度があがる。
そして、まさかの、 南蛮いぶし、おかわり。 ここで 本気の山伏の底力を
思い知る!
一心不乱?
強靭な精神力?
彼らは、
感覚器官すら、鍛えぬいている。
おのれの意志だけでは
身体がついてこない、
もどかしさ。 まだまだ未熟な自分が悔しく、 進化したいと思った。
**
二日目が終わり、宿入り。
三日目も、法螺貝で起きる。 今日は滝行のため、
女性は水着に白装束。
サポートタイツも装着。 少し肌寒い。
** 朝の床固めの座禅をしてから、 湯殿山へバス移動。 各石碑に入道の挨拶をしながら、 沢沿いを滝まで登る。
御沢駆け。 ※一般立入禁止区域 袴も地下足袋も 水に浸かりながら進む。
**
先人たちの修行のあと、 自然の姿の神秘を辿りつつ、 梵字川の御滝へ。 先達の導きの元、 滝に入る準備の作法をこなす。 水着に白衣となり、 いざ滝に打たれる。 小柄な女性は流されるくらい、 水量豊富、水流強め。 不思議とオソレはない。 視力が弱いため、 眼鏡の扱いだけ少し困る。
**
滝行の後、
長い長い鉄梯子をつたい登る。
「絶対手をはなすなよ」と
声がかかる。
鉄梯子をのぼりきった先にある 小屋を借りて 濡れた水着と白衣を着替える。
** 湯殿山本宮へ。
履物をぬいで裸足になり、 お祓いをうけ、ご祈祷。 「語るなかれ」 「聞くなかれ」の参拝。
参拝した人たちだけが知る世界。
** 本宮入口脇には、御神湯がある。 足をつけて 滝行で冷えた身体を温める。 ほどよきところで、下山。
拠点へバス移動。
**
生まれかわりの旅。
最後の行は 誕生の儀式「出生式」
(火渡り)。 沢駆けで 袴・地下足袋は濡れている。 (燃えないから大丈夫) 心の準備をする間もなく 次々と産声をあげて 火を渡る。 法螺貝を合図に 二人ずつスタートして、
火を飛びこえる。
自然と拍手がおこる。 成し遂げられるための配慮を そこここに感じる。
**
今回の修行を終え、
修了式。 ひとりずつ、 先達から修了証を受け取る。 「よくがんばりました」 ひとりひとりにかける 先達の言葉がとても優しい。 修行が終わるのが さみしくすらある。
思えば、 初度のため、 段取りもわからず、 緊張しまくりだった。 修行には、 繰り返しが必要なのだろう。
多くの人がリピートする理由が
うなずける。
**
宿坊に戻り、入浴。
お湯が染みて
擦り傷に気づく。
ぬるめのお湯にも
思いやりを感じる。
** 大進坊にて精進落とし。
ご馳走である。

修験者とは、体験を修める者。
ほんの少し 山伏の世界に触れられたような気がする。

今回の修行体験に 関わってくださったすべての人に 感謝申し上げます。
**
以上、体験記、 長々とお付き合いいただき ありがとうございました。

左:Befoe
初日、出立前の集合写真から。 まだ、杖の持ち方すらおぼつかない。
右:After
修了式を終えて、
着替えの途中(脚半は外した後)。
姿はボロボロになったけれど、
心は祓い禊て清々し、である。
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