彼女は「婚活が上手くいかない」とカウンセリングに来ました。

 

「つきあうけれど、なんかイマイチで別れてしまう。何か私に原因があるのなら、変えたい。」とご希望でした。

そんな女性と、面談カウンセリングでのイメージセラピーのお話です。

※「話していいですよ」とご本人の承諾を得ています。


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お話を聴くと。

 

彼女の父親がよくできた男性で、「つきあう男性たちが物足りなく見える」とのことでした。

 

また、彼女の両親はあまり仲が良くなくて、ヒステリックな母親が父を悪くいうのが日常でした。

 

他の兄弟はすでに結婚していて母親と仲良しでしたが、彼女だけは母親より父親の方が話しやすかったそうです。

 

***

 

ここまでの話を聞くと、「父親が好きすぎるのが問題なのかな?」とファザコンを疑う方もいらっしゃるでしょう。

 

確かに、それもあると思います。

 

例えば、彼女の父親と新しい彼氏が並んだとしましょう。

 

父親は、彼女が生まれてからずっと一緒に居て、おそらく彼女をとてもかわいがり、彼女の好き嫌いも知っていて、保護者の責任も果たしてきました。

 

彼女との関係性30年だとします。

 

一方、新しい彼氏は、出会ってすぐで、お互いのことを何も知りません。

 

彼女がしてほしいことをピンポイントにすることはできないでしょう。

 

また、彼女との関係で自信が持てていないので、ちょっと受け身になりがちなところもあって、頼りがいなく見えてしまったりします。

 

彼女との関係性は、わずか数日。

 

「わかってもらえている」「うけとめてもらえる」といった感覚は、父親にかなうはずがありません。

 

そして、それは彼女にも自覚があることでした。

 

***

 

人は、頭ではわかっているけれど、「腑に落ちない」「心が納得しない」状態にあることがあります。

 

その場合、心を動かして感じることができると、腑に落ちることが多いです。

 

彼女からはその他にもいろいろとお話を聴いて、イメージの中で心を整えてみることにチャレンジしていただくことにしました。

 

今回は、そのセラピーをご紹介しますね。
※実際には、対面で心理的安全を充分確保してイメージセラピーを行いました。

 

もし、彼女と似た境遇にある方がいらっしゃったら、彼女の事例が参考になればと思います。

 

***

 

なんとなくでいいので、イメージしてみてくださいね。

 

あなたは、教会の結婚式場にいます。

 

バージンロードの端に立っているあなたの隣には、お父さんがいると思ってみてくださいね。

 

そこで、今日お父さんと向き合って両手をつないでみましょう。

 

お父さんが今までしてくれたことを、ひとつひとつ思い出してみてくださいね。

 

小さなとき、肩車してくれたこと。

お母さんに叱られた時に守ってくれたこと。

困ったときにかけてくれた優しい言葉。

お父さんがほめてくれたこと。

 

ゆっくり、ひとつひとつ思い出してみてくださいね。

 

すると、彼女は、お父さんとのたくさんの出来事を思い出していきました。

 

そして、あったかい涙を流しています。

 

「私、お父さんにこんなに愛されていたんだ」、と。

 

***

 

でね、今日はバージンロードの先に、お母さんが立っていると思ってみてくださいね。

 

普段のお母さんはヒステリックでしたが、今日のお母さんはこんなお母さんです。

 

お母さんは、お母さんの両親、彼女にとっては祖父母と離れ、知らない土地で3人の子供を育ててきました。

 

お母さん、実はものすごく不安だったんですよね。

 

お父さんが仕事で忙しくて、さみしくてしかたなかったんですよね。

 

今は、ヒステリックなお母さんのもう一層奥の顔が見えます。

 

バージンロードの先に立っているのは、さみしくて、不安でいっぱいのお母さんです。

 

今日、あのお母さんの所に、お父さんを連れて行ってあげましょうね。

 

お母さんは、素直に「さみしい」って言えなかったんですよね。

 

甘え方を知らないから、怒った態度になってしまっていたんですよね。

 

***

 

そして、彼女の心にあった一番の苦悩は…。

 

それは、「あのお母さんから、優しいお父さんをとってしまった」という罪悪感。

 

「お父さんは、私のことを大好き!」と知っていました。

 

そして同時に、「お母さんも、お父さんが好き!」と、どこかで気づいていたのかもしれません。

 

でも、「あんなヒステリックな態度をとるお母さんが悪い」と、表面上は思っていました。

 

「お母さんは私に嫉妬しないでよ」と、不愉快に思うこともありました。

 

けれど、心の奥底では、「私は愛されているのに、お母さんはさみしそう」って、どこか申し訳ない気持ちがあったみたいです。

 

そんな誤解の罪悪感は、もうなくしていきたいですよね。

 

***

 

イメージの中で、お父さんと一緒にバージンロードを歩き、お母さんの前まで進んでくださいね。

 

そして、お父さんとお母さんの手をつないであげてくださいね。

 

ずっと不安でさみしかったお母さんのもとに、今日お父さんが帰ってきました。

 

そして、お母さんが「安心」で満たされていくのを見守ってあげてくださいね。

 

***

 

彼女は、あったかい涙を流していました。

 

本当は、彼女は「お母さんが幸せそうじゃない」のを、ずっと気にしていたんです。

 

彼女は、「私はお母さんに不愉快に思うことが多かったけれど、本当は不安でさみしがりなお母さんのそばに居てあげたかったのかも」と思いました。

 

そして、「私、お母さんのことがこんなに好きだったんだ」と気がつきました。

 

***

 

もう少し、イメージを続けてみてくださいね。

 

でね、お母さんが満たされて、笑顔になったら。

 

今度は2人に、仲の良い夫婦になった両親に、抱きしめてもらってくださいね。

 

彼女は号泣です。

 

ずっとずっと願っていたんです。

こんな両親の姿を。

 

***

 

彼女の心にあった「お母さんからお父さんを取った罪悪感」も「お母さんを嫌った罪悪感」も、すべてが許された瞬間でした。

 

そして、両親に見送られて、今はまだ顔の見えないパートナーのもとへ歩いて行くところまで、イメージしていただきました。

 

イメージを終えた彼女の顔は、イキイキとした表情に変わっていました。

 

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彼女の婚活が上手くいかなかったのは、父親との関係が近すぎる「ファザコン」が原因に見えたかもしれません。

 

じかし、実際の彼女の癒しポイントは、母親への罪悪感だったのです。

 

(なお、これは、彼女の記述以外の情報を複合的に心理分析して組み立てられたセラピーです。すべての方が同じではありません。)

 

後日、彼女から「お母さんとの関係がすごくよくなって、前よりずいぶんと楽な気持ちで婚活できています。」と連絡がありました。

 

彼女は、心の重荷をひとつおろすことができたようです。

 

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心には時間も空間もありません。

 

ですから、こんな風にイメージをつかって心を整えることもできるんですね。

 

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