私には尊敬している人たちがいます。
それは、ちびっこ。
幼い子供たちは、自分の気持ちに素直です。
そして、「好き」と「ごめんなさい」と「ありがとう」を言います。
それから、ケンカしても、割とすぐに仲直りしちゃいます。
大人になると、恥ずかしかったり、意地を張ったりして、素直に言えないことも出てきます。
そして、簡単には許せなかったり、根に持ったりすることもあります。
ちびっこが教えてくれてることがある気がします。
「ありがとう」を言う話で、昔の懐かしい記事(2010年1月5日公開 心理カウンセラーのコラム)を発掘したので、原文のまま転載します。
ひまつぶしにでもお読みいただけたらと思います。
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2010年1月5日公開 心理カウンセラーのコラム
「ありがとうが言えた!」
その昔、私の心が暗闇の中にだけいた頃のお話です。
その頃、誰かが私のために何かをしてくれた時に、私は「すみません」「ごめんなさい」としか言うことができませんでした。
「こんな私」のために何かをしてもらうのは、ただただ申し訳なかったのです。
迷惑かけてごめんなさい、手がかかる子でごめんなさい、そんなことをしてもらっても何もお返しできません、とにかく申し訳ない気持ちだけでいっぱいでした。
そしてどこかで、こんなに申し訳ない気持ちにならなきゃいけないんだから、お願いだから私のために何もしないでください。
私のためを思うなら、どうか放っておいてください。
親切になんてしないでください。
当時はそんな風にも思っていたような気がします。
だから、誰かが私のためにしてくれることに「ありがとう」と感謝することはとても難しかったのです。
**
ある時、「ごめんなさい」は「自分の気持ち」を見て言う言葉だという話を聞きました。
何かをしてくれる人は、私に「申し訳ない」という気持ちを感じさせたくて何かをしてくれているわけではない、というのです。
考えてみれば、確かに嫌がらせをされているわけではありませんでした。
むしろ、好意でしてくれているのはよくわかっていたのです。
私からしてみれば、「こんな私」が好意を受けるなんてとんでもないこと、だったのです。
「ごめんなさい」としか言えないのは、私の都合でした。
**
それまで、「何かをしてくれる人の気持ち」までは考えていませんでした。
自分のことで手いっぱいで、人の気持ちを考える余裕なんてありませんでした。
うつむいて下ばかり見ていて、前が見られなかったのです。
そのことに気づいてからは、相手の気持ちも考えてみよう、少しずつ前を向いてみようと思いました。
何かをしてくれる人は「ごめんなさい」と言われるよりも「ありがとう」と言われる方が嬉しい、というのは頭ではよく理解できました。
**
それでも、なかなか私は思うようには行動できませんでした。
そんな時、一番私にいろいろしてくれる人に、「『ありがとう』って言われたら、なんて言い返すの?」と聞いてみました。
その人は「It’s my pleasure(=それは私の喜びです)と答えるよ」と教えてくれました。
「してあげたい」からしてくれているのだそうです。
見返りは求めていないし、ただしたいからしているのだそうです。
私に何かしてくれることは、その人にとって何の無理もない行為だったのです。
**
それを知ってから、はじめて何かをしてもらえて「嬉しい」って感じてもいいのだと思えるようになりました。
「ありがとう」というのは、「あなたがしてくれたことで私は喜んでいます」って伝える言葉だと実感することができました。
そこでようやく私は感謝をこめて「ありがとう」と言えるようになりました。
**
「ありがとう」と言えるようになってから、私の周りには笑顔の人が増えました。
そして、「ありがとう」と言ってもらえることが私の喜びにもなりました。
「ごめんなさい」としか言えなかった頃と比べると、とても楽な気持ちで毎日を過ごせるようになりました。
**
今はまだ「ごめんなさい」としか言えない方、もしかしたら「ごめんなさい」とすら言えない方もいらっしゃるかもしれません。
言葉が変われば、状況が変わります。
いつか「ごめんなさい」が「ありがとう」になりますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
心理カウンセラーのコラム
2010年1月5日公開
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この記事から10年がたった今、カウンセリングでこんなお話をよくします。
まずは。
「何も言えない」よりは、「ごめんなさい」が言えるのはいいことですね。
次に。
「ごめんなさい」ばかり言うよりは、「ごめんなさい」に追加して「ありがとう」も言ってみてはいかがでしょう。
さらに。
謝罪する場面では、きちんと謝ることが大切です。
他のことは、できるなら「ごめんなさい」の表現よりは「ありがとう」の言葉で伝えてみませんか。
と。
すぐに「ありがとう」とは言えないなら、ひとつずつ段階を踏んでもいいのではないでしょうか。
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それは、ちびっこ。
幼い子供たちは、自分の気持ちに素直です。
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そして、簡単には許せなかったり、根に持ったりすることもあります。
ちびっこが教えてくれてることがある気がします。
「ありがとう」を言う話で、昔の懐かしい記事(2010年1月5日公開 心理カウンセラーのコラム)を発掘したので、原文のまま転載します。
ひまつぶしにでもお読みいただけたらと思います。
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2010年1月5日公開 心理カウンセラーのコラム
「ありがとうが言えた!」
その昔、私の心が暗闇の中にだけいた頃のお話です。
その頃、誰かが私のために何かをしてくれた時に、私は「すみません」「ごめんなさい」としか言うことができませんでした。
「こんな私」のために何かをしてもらうのは、ただただ申し訳なかったのです。
迷惑かけてごめんなさい、手がかかる子でごめんなさい、そんなことをしてもらっても何もお返しできません、とにかく申し訳ない気持ちだけでいっぱいでした。
そしてどこかで、こんなに申し訳ない気持ちにならなきゃいけないんだから、お願いだから私のために何もしないでください。
私のためを思うなら、どうか放っておいてください。
親切になんてしないでください。
当時はそんな風にも思っていたような気がします。
だから、誰かが私のためにしてくれることに「ありがとう」と感謝することはとても難しかったのです。
**
ある時、「ごめんなさい」は「自分の気持ち」を見て言う言葉だという話を聞きました。
何かをしてくれる人は、私に「申し訳ない」という気持ちを感じさせたくて何かをしてくれているわけではない、というのです。
考えてみれば、確かに嫌がらせをされているわけではありませんでした。
むしろ、好意でしてくれているのはよくわかっていたのです。
私からしてみれば、「こんな私」が好意を受けるなんてとんでもないこと、だったのです。
「ごめんなさい」としか言えないのは、私の都合でした。
**
それまで、「何かをしてくれる人の気持ち」までは考えていませんでした。
自分のことで手いっぱいで、人の気持ちを考える余裕なんてありませんでした。
うつむいて下ばかり見ていて、前が見られなかったのです。
そのことに気づいてからは、相手の気持ちも考えてみよう、少しずつ前を向いてみようと思いました。
何かをしてくれる人は「ごめんなさい」と言われるよりも「ありがとう」と言われる方が嬉しい、というのは頭ではよく理解できました。
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それでも、なかなか私は思うようには行動できませんでした。
そんな時、一番私にいろいろしてくれる人に、「『ありがとう』って言われたら、なんて言い返すの?」と聞いてみました。
その人は「It’s my pleasure(=それは私の喜びです)と答えるよ」と教えてくれました。
「してあげたい」からしてくれているのだそうです。
見返りは求めていないし、ただしたいからしているのだそうです。
私に何かしてくれることは、その人にとって何の無理もない行為だったのです。
**
それを知ってから、はじめて何かをしてもらえて「嬉しい」って感じてもいいのだと思えるようになりました。
「ありがとう」というのは、「あなたがしてくれたことで私は喜んでいます」って伝える言葉だと実感することができました。
そこでようやく私は感謝をこめて「ありがとう」と言えるようになりました。
**
「ありがとう」と言えるようになってから、私の周りには笑顔の人が増えました。
そして、「ありがとう」と言ってもらえることが私の喜びにもなりました。
「ごめんなさい」としか言えなかった頃と比べると、とても楽な気持ちで毎日を過ごせるようになりました。
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今はまだ「ごめんなさい」としか言えない方、もしかしたら「ごめんなさい」とすら言えない方もいらっしゃるかもしれません。
言葉が変われば、状況が変わります。
いつか「ごめんなさい」が「ありがとう」になりますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
心理カウンセラーのコラム
2010年1月5日公開
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この記事から10年がたった今、カウンセリングでこんなお話をよくします。
まずは。
「何も言えない」よりは、「ごめんなさい」が言えるのはいいことですね。
次に。
「ごめんなさい」ばかり言うよりは、「ごめんなさい」に追加して「ありがとう」も言ってみてはいかがでしょう。
さらに。
謝罪する場面では、きちんと謝ることが大切です。
他のことは、できるなら「ごめんなさい」の表現よりは「ありがとう」の言葉で伝えてみませんか。
と。
すぐに「ありがとう」とは言えないなら、ひとつずつ段階を踏んでもいいのではないでしょうか。
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