夫が不倫をした妻側の方より、リクエストをいただきました。
-----------------------------------------
不倫している時、お相手の妻に対して大塚さんはどんなことを感じていたのでしょうか。
不倫している独身女性の心中を知りたいです。
(リクエストの文章を編集させていただいています。)
-----------------------------------------
まずは、リクエストくださりありがとうございます。

いろいろなお立場の方がいらっしゃるので、 
愛人経験者の書く文章を不快に感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。

ご批判はあるかと思いますが、わたしの経験を書くことで、
どなたかのインスピレーションにつながればと願っております。
□■*:;;;:*□■*:;;;:*■

ひとつの経験ですが。

彼の奥様に対しては、ずーーーっと申し訳ない気持ちを感じていました。
彼がわたしと別れて奥様のもとに帰るまで、ずっと。

彼はよく奥様の話をしました。
どこかで彼との関係の深まりにブレーキをかけたかったわたしは、
聞くのが辛かった話でしたが、彼が話すのを止めませんでした。

もともと愛妻家だった彼は、
奥様のことを悪く言うことはありませんでした。
彼なりに心に決めていた何かがあったのではないかと思います。

「どんなにあがいても、結局は奥様にはかなわない。」
「自分がいなくなれば、皆が幸せなのではないか。」と何度も考えました。

逆に、「奥様がいなくなってくれたら。」と想像したこともないとは言えません。
ごめんなさい。

社会に背いて、身の置き所がなく、
「奥様を愛している彼を、まるごと愛せるくらい大きな器になりたい。」と
願ったこともありました。

「彼と出会うタイミングが奥様より早かったら、彼はわたしを選んでくれたかもしれない。」
そう考えて、自分のやるせない想いを慰めたこともありました。

奥様に対して思うことには、大きな波がありました。
自分の心理状態ひとつ、彼の態度から感じることひとつで、気持ちは揺れました。

「こんなに妻を思っている彼をなんで放置するのよ。」
と腹立たしく思うこともありましたし。

「奥様がしっかり彼を支えているから、彼は素敵な男性でいられるんだろうな。」と
尊敬に似た気持ちを感じることもありました。

わたしと会う約束をしていても、
「妻が風邪を引いたから。」と迷いなく私との予定をキャンセルする彼を見て、
わたしとは比較にならないくらい大事にされている奥様に嫉妬しました。

毎日、当たり前に長い時間を彼と過ごせる奥様を妬んだこともありました。

奥様との関係と、わたしとの関係で悩む彼に気がつかないでいられるのは、
「妻」の座をもつ余裕なんだろうと、自分とは違う世界の人に思えたことも。

文字にしようとすると、若干の脚色が入ってしまいますが、
ドロドロとした思いが渦巻くこともあれば、晴れやかに割り切れる瞬間もあり、
言葉には表し尽くせないたくさんの気持ちがありました。

あやまって許してもらいたいとは思いませんし、
あやまって許されることではないのだろうと思っていました…。

身勝手かもしれませんが。
一人の男性を愛した「同志」として、 奥様には敬意と感謝を感じています。

ここまでは、あくまでわたし個人の体験です。

□■*:;;;:*□■*:;;;:*■

カウンセラーとなった今思うことは。

妻と彼女、立場が真逆の女性二人のように見えますが。

嫉妬、敗北感、自分の存在が否定されたように感じる気持ち、
この状況に陥った不運を嘆きたくなる気持ち、裏切りの痛み、
自分を嫌う(呪う?)気持ち、反動で出てくるイカリ・攻撃性、
傷ついた女性性、しなかった・してしまった拭えない罪悪感…。

妻も彼女も、状況は違えど、
感じている気持ちはとても近いのではないかということ。

どちらの女性にも癒しが必要で、
また、二人の女性に心ひかれた彼にも癒しが必要だということ。

いつか。
みんなが苦しみの日々を終えられますよう願っています。

この文章を書くきっかけをくださり、ありがとうございました。