恋をするときに、
「よっしゃー、次こそはいい不倫するぞ〜!」と思う方はまずいないでしょう。

不倫という関係を心底望んでいるわけではないのに、
気がついたら陥ってしまう場合がとても多いのではないかと思います。

では、何故に人は不倫にはまってしまうのでしょうか。
◆ 既婚者特有の魅力

既婚者には、少なくとも世界に一人
自分を受け容れて「永遠に愛する」と誓ってくれた人(妻・夫)がいます。

おかげで自分の愛し方に自信が持てるので、
独身者に比べて異性の取り扱いに余裕をもちやすいようです。
既婚者特有の“包容力”や“安心感”のようなものがあると言ってもいいでしょう。

この余裕ある態度に魅かれ、いけないと思いつつ恋に落ちることが…。
 
既婚者特有の雰囲気にひかれる背景のひとつには、
異性の親との間で満たされなかった何かを埋めようとする心理」が
隠れているのかもしれません。

◆ 満たされなかった想い

例えば…年の離れた既婚男性と不倫関係になった女性がいました。
(仮にAさんとします。ご本人の了承を得て書かせていただいています。)

Aさんは、年上の男性にギュっと抱きしめてもらうことや、
優しく頭をなでてもらうこと、頼らせてもらえることに幸せを感じていました。

Aさんの心にあるものをカウンセリングを通して探っていくと、
父親に力強く見守ってもらいたかったのに、
それをがまんしなければならない状況で大人になっていたことがわかりました。

Aさんは、父親にしてもらえなかった愛し方を
不倫相手の既婚男性からしてもらうことで心の空白を埋めようとしていたのです。

このように、父親から満たされなかった愛を既婚男性に求めたり、
母親から満たされなかった愛を既婚女性に求めたりということが、
不倫関係にはまってしまうひとつの要因になることがあります。

そして、今の恋愛がうまくいかない背景に親との関係の課題があるということは、
心の奥にしまいこまれていることが多く、表面的には気づきにくかったりします。

逆にいえば、「父親・母親に満たされなかった想いがあったから
不倫にはまりやすかったのかもしれない。」と気づくことができれば、
その想いの部分を癒すことに取り組むことができるようになります。

セラピーなどを通じて、父親・母親との適正な絆を心に取り戻すことができれば、
その部分を既婚者に埋めてもらう必要性がなくなってくるのではないでしょうか。

◆ 初恋は不倫?

みなさんの記憶にはもうないかと思いますが、
実はみなさんの初恋は不倫だったのかもしれません。

というのは、わたしたちが生まれてから最初に興味を持つ異性は、
異性の親(女性ならば父親・男性ならば母親)と言われています。

みなさんの記憶にある両親像がたとえどんなものであったとしても
昔々自分では何もできない幼い子供だった時代には、
大人だった両親は「なんでもできるすごい人!!」と思えたことでしょう。

大人としてどんな人であれ、親という存在は
子供にとって「自分の面倒を見てくれる絶対的な存在」であり、
「この人に甘えたい」「ほめてほしい」「理解してほしい」と願ったことでしょう。

「私パパのお嫁さんになる!」・「大きくなったらママと結婚する!」などと
堂々と不倫宣言(?)するくらい、
異性の親の存在が大きかった時代があっても不思議ではありません。

ところが、やがて思春期を経て自分が大人になる頃には、
大抵このことをすっかり忘れてしまいます。
異性の親を意識することに嫌悪感をもつ方も出てきます。

この頃から興味の対象は、いつのまにか彼氏・彼女に移っていくようです。

◆ パートナーとの関係・親との関係

ところが、パートナーとの関係を築いていく時に、
思いがけないところで過去の親との関係から影響を受けることがあります。

なぜならば、スキンシップするほどの物理的に近い関係、
愛し愛される心の距離が近い関係でも、
まるでパートナーのように近い位置にいたのは、かつては親だったのですから。

初恋の経験がその後の恋愛観に影響するように、
とても近い関係を築いていくのには、
かつてとても近くにいた親との関係のあり方が影響することがあるようです。 

そしてこれは、必ずしも不倫の関係にだけあてはまるものではありません。

もし今の恋愛がうまくいっていないのだとしたら、
親(特に異性の親)との関係を振り返ってみると何かヒントが見つかるかもしれません。

◆ 親との関係の捉え方が変わると

先程例に挙げたAさんは、カウンセリングやセラピーを通して
「自分は愛されていた。」という感覚を取り戻していきました。

そして、「子供のように愛される恋愛がつまらないものに思えるようになり、 
対等に愛し合う恋愛に目覚めた。」のだそうです。

「不倫という制約のある恋愛でがまんするのではなくて、
自分がナンバー1に愛される関係を求めていいんだと思えるようになった。」
とも話してくれました。

望んでいるわけではないのに不倫の関係にはまっているのなら、
親との関係に感じてきたことを変化させていけるといいのかもしれません。