その昔、大塚は、うっかり誰かに自分のことを話した後に、「やっぱり言わなければよかった」と自己嫌悪にはまることが何度もありました。

自分が考えていることや感じていることを誰かに話すって、勇気がいること。

安心して話すことができたなら、後悔することなく話し切れたなら。

心の奥に眠っていた「自分の想い」を見つけたり、現状を客観的に把握して理解を深めたり、「これから必要なこと」に気がつけたりするのではないかと、今のわたしは思っています。

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『カウンセラー発!すぐに役立つ心理学講座』に掲載された記事(2013/9/16Lecture.643)の紹介です。

◎リクエストを頂きました◎

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 私は自分の本音だったり、自分の夢とか、自分が大切にしている感情とか感覚、考えを誰かに言うのがとても怖いです。

具体的に言うと、そういったものを相手に伝えるとそれを否定されるとしか思えないので、そういうことを誰かに言えません。

アドバイスが欲しかったり、困っていても、恐怖心が出てくるので結局誰にも相談できなかったり、あいまいな形でしか相手に伝えられず、結果一般的な反応とかアドバイスしかもらえず、本当に自分が欲しているアドバイスがもらえないので参考にならないことが多いです。

 何か対処法などありますか。
 (一部リクエストを編集させていただきました。)
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●心の中で起きていること

「本音が話せない」にも、相手の反応が気になってしまい本音が話せない、自分が考えていること・思っていることに自信がなくて本音が話せない、そもそも自分の本音がわからなくて話せないなど、いくつかのケースがあります。

否定される気がして本音が話せないという場合、心の中では次のようなことが起こっていると考えられます。

否定されるに違いない・わかってもらえないと感じている
  ↓
話したら、大切にしているものを否定されてしまう ⇒恐怖 =自分自身を否定されるオソレ
  ↓
否定されないために、本音を話さない ⇒あきらめ
  ↓
受けとめてもらう・理解される経験ができない

 →→わかってもらえない・否定されるに違いないと感じる に戻って繰り返し

本音を話すのを妨げている大きな要因は、自分が大切にしている考えや気持ち、夢や感じていることなどを否定されてしまう「恐怖」の部分でしょう。

この恐怖は、突き詰めると「自分自身を否定されるオソレ」になってくるかと思います。

この自分自身を否定されるオソレは、嫌われるのがこわくて本音が言えない、どうせ聞いてもらえないから話さない、変に思われないか気になって本音が言えないなど、多くのケースの背景にもあてはまるようです。

また、自分の本音がわからないという場合は、自分が何を考え、何を感じているのかを認識するのをストップしている状態でしょう。

人が何も考えない・感じないということはありませんから、本音がないわけではないのです。

例えば、本音を話しても思うようにいかないなど、本音を本音と認めると辛くなるようなことが起こるので、本音を認識するのをストップするようになり、やがて本音がわからなくなることが多いです。

ここにも、自分の本音が受けいれてもらえないなどの「自分自身を否定されるオソレ」が隠れているとみていいでしょう。


●安心感を取り戻す


本音を話すのに自分自身を否定されるオソレを持つということは、これまでに自分の意志を否定された経験が何かしらあるのではないでしょうか。

例えば、親が過干渉でいつも意見を押し付けられてきたとか、相手の思い通りにしないと認めてもらえなかったとか、「お前はこうだ。」と決めつけられてきたとか、無言の圧力があって自分の希望と異なる選択を迫られたなど。

あなたが「わかってもらえない」とがっかりしたのは、どんな気持ちだったのでしょうか。

否定されて壊された大切な思いは何だったのでしょうか。

言葉にするのを諦めて呑み込んだ本音は何でしょう。

「あの時、○○と言われたけれど、自分はこういうつもりでしたことだったのに。」とか、「あの時、本当はこう言いたかった。」とか。

以前に語りつくせなかったあなたの本音、あなたの言い分にもう一度耳を傾けてみませんか。

誰かに話すのがこわい時は、まず自分が自分の本音をわかってあげてはいかがでしょう。

あるいは、カウンセラーと対話する中で、自分も忘れていたような本音に気がついてみてはいかがでしょうか。

自分自身を否定されるオソレがあるとき、私達の心には不安があり、自分を守るために心を閉ざしていきます。

そこでまず、「安心」の感覚を取り戻していけたらと思います。

たった一人でも自分をわかってくれる人がいる、否定せずに認めてくれる人がいると感じることができると、そこに安心感が生まれます。

自分が自分の本音を肯定する、自分が自分の本音を認めるだけでも、心は「わかってもらえた」と安心するもののようです。

安心が感じられるようになると、心を開きやすくなるでしょう。


●表現することをあきらめない


人には過去に辛い・悲しい経験をすると、同じ気持ちを感じなくて済むように似たような状況を避ける習性があります。

これが「牡蠣にあたったから牡蠣は食べない」というようなものなら差支えないでしょうが、人間関係は人とかかわる限り避けきれません。

試練のように思うかもしれませんが、人との間で傷ついた心は、人とのかかわりを通して癒すことができるのも事実です。

あきらめてしまわずに、本音を伝えることにチャレンジしてみませんか。

但し、慣れないうちは伝えやすい相手を選びましょう。

そして、はじめから大成功するとは期待しないで、練習するつもりではじめましょう。

例えば、恋愛で「絶対OKしてくれるなら告白する」という安心を求めていると、告白の機会は激減するでしょう。

本音も、「絶対否定しないなら話す」と待っていると、長い時間がかかってしまいます。

恋愛と同じで、失敗も経験しながらうまくいく方法を探していきましょう。

様々な価値観がある中で、あなたの本音が他人からすべて肯定されるかというと、現実にはそうでないこともたくさんあるでしょう。

同時に、すべてが否定されるのかというと、そうでもありません。

何度もチャレンジして否定されない体験を重ねることで、本音を表現する自信が戻ってくるでしょう。

リクエストありがとうございました。

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