私達の心にある“自分自身の物語”についてと、
大塚個人の“癒しの経験”のひとつについて、数回にわたって書いてみようと思います。
ご興味があれば、お付き合いくださいませ。

(* 2013年5月3日開催の東京カウンセラーズ・フェスタにて、
 「あなたの物語・あなたの美学〜ネガティブ肯定力〜」というタイトルで講演した内容に手を加え、文章化したものです。)

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◆ 何事もバランス 〜ネガティブは悪くない!〜

いきなりですが。
人間はポジティブとネガティブの両方の側面を持っているものです。

敢えてポジティブタイプとネガティブタイプのどちらかに分けるとしたら、
ご自身をどちらのタイプに位置づけるでしょうか?

大塚個人は、間違いなく“ネガティブタイプ”の所属ですと断言しちゃいます!

残念ながら、日本社会では「ネガティブ」というとあまりいい印象をもたれないことが多いようです。
でも、大塚はネガティブさを悪いことだとは思っていません。
大塚はむしろ“ネガティブタイプ”であることに「誇り」を持っているのです。
ちなみに、ネガティブな大塚がカウンセラーとしてデビューする時、
弊社代表の平からは、
「のりちゃん(=大塚)なぁ、君暗いよ!でもまあ、一人くらいこんなヤツがいてもええやろっ。
とのコメントを賜ってカウンセラーにしてもらいました。
(この名言は、今でも秘かに大塚のネガティブ自慢の種(ネタ?)です。)

大塚は、ネガティブさは「生きていくのに必要とされる能力」だと考えています。

例えば、ネガティブゆえに、「こんなことがあったらどうしよう?」と想像することがあります。
そして、起こりかねない危機をあらかじめ管理したり、
想定される事態を乗り越える準備をしたりすることができます。
これは、計画性・予測力という点で大事な能力と言えるのではないでしょうか。

また、ネガティブゆえに、「私だったら、これ気になる!」と気がつくことがたくさんあります。
そして、それを改善していくことで、なるべく人に不快な思いをさせないような気配りができたり、
丁寧な時間や空間が演出しやすくなったりします。

対人関係に持っているネガティブさは、見方を変えれば、
自分と同じように感じるだろう人を満足させられる能力でしょう。
気がつく能力は、「視点の鋭さ」として活用できる能力なのではないでしょうか。

以上は僅かな例ですが、これらのように、
「ネガティブさは生きていくのに必要とされる能力で、ネガティブは悪いことではない!」
と大塚は思うのです。

そしてそれを力説したいのです。
自称ネガティブタイプさんたちが、ご自身のネガティブさを否定しなくて済むように。

大塚は「これからも自分に備わったネガティブさも大切にしていこう!」と思っています。

とは言いましても、ネガティブさも「度が過ぎる」と何かと不都合が生じやすくなるようです。

例えば、「こんなことがあったらどうしよう?」とまだ起きてもいない出来事を思い浮かべて、
不安に押しつぶされそうになるとか。
怖くなったり、緊張したりして、行動しにくくなるとか。

また、「これ気になる!」ということが頭から離れなくなって、
そのことに関連することをグルグル考えるとか。
気になることが解消されない限りは「前に進めない」ように思うとか。

それから、気になることがたくさん目につくので、つい人に対して批判が多くなるとか。
翻って、自分自身への批判が膨大なものになり、自分が自分を縛っている、などなど。

もし、度を越したネガティブさに囚われて、日常生活が過ごしにくくなっているようならば、
ちょっと「バランス調整」をしていくといいのかもしれません。

バランス調整方法の一例としては、
身動き取れないほどネガティブになっている考えと「対極にある考え」を発想してみることです。

例えば、「きっと失敗するに違いない。」とネガティブにはまっているならば、
対極にある「もし上手くいったとしたら。」という発想が見えなくなっていないでしょうか。

考え方がネガティブの側に傾いてバランスを崩しているなら、
反対の発想を投入して、ネガティブを中和させてみるのもいいでしょう。

或いは、ネガティブから少し距離をとって、別の空気で息継ぎをすると、
違うものが目に入るようになるのではないでしょうか。

…ということで、大塚はネガティブを肯定するカウンセラーです。

大塚は、最近でこそポジティブな考え方も取り入れておりますが、
昔は生きているのもしんどいくらい“どっぷりとネガティブ”でした。

今は「ネガティブの中にポジティブがある」といったところでしょうか。
無理してポジティブでいようとしない分、逆にポジティブでいられるようになったと思います。

大塚がネガティブの中にポジティブを見つけたのは、心理を学び、
自分の中にあったいくつかの“物語”に気がついたからだと思います。

そこで、『物語と癒し』というシリーズで、自分を見つめる方法として、
「あなたの中の物語」に着目する方法をご紹介してみようと思います。

なお、「物語」という言葉を使用しますが、学術的な定義のある用語としてではなくて、
一般的な言葉として使っていくことにします。

 → 次回へ続く